土との付き合いは子どもとの時間から始まった
こんにちは、岡井弘治です。
私には釣りやフルーツを求めて産地を訪れることのほか、長く続いている趣味がもう一つあります。それが家庭菜園です。
きっかけは、子どもが小さかった頃に始めたジャガイモ作りでした。
当時は食育という言葉を意識していたわけではありません。ただ、自然の中で思い切り遊びながら、土に触れる体験をしてほしい。そんな思いから始めたのがきっかけです。
今振り返ると、家庭菜園は野菜を育てる趣味であると同時に、子どもたちと過ごす大切な時間を育てる趣味だったように思います。
今回は、そんな家庭菜園との付き合いの中で感じたことを書いてみたいと思います。
土の中の宝探しに夢中だったあの日
子どもが小さかった頃、栃木県佐野市の農園でジャガイモ作りをしていました。
植え付けは3月上旬、収穫は6月中旬です。
千葉県から佐野市までは決して近い距離ではありませんでしたが、植え付けや収穫の時期になると家族で出かけるのが恒例行事になっていました。
周囲には畑が広がり、都会ではなかなか見ることのできないのどかな景色が広がっていました。
収穫の日になると、株の近くへスコップを差し込み、土を持ち上げます。
すると、土の中からジャガイモがゴロゴロと顔を出します。
その瞬間、子どもたちは大興奮です。
「まだあるよ!」
「もっと出てくるかも!」
と言いながら土を掘り返し、小さなジャガイモまで探していました。
大人にとっては収穫作業ですが、子どもたちにとっては宝探しだったのでしょう。
泥だらけになりながら夢中で土を掘る姿を見ていると、自然の中で遊ぶことの楽しさを改めて感じました。
収穫したジャガイモを持ち帰り、食卓で食べる時間も特別でした。
「これ、自分たちで掘ったジャガイモだよね」
そんな会話をしながら囲む食卓には、いつもより少し大きな笑顔がありました。
現在は畑へ通う機会は少なくなりましたが、自宅のプランターで主にバジルを育てています。
最初は香りが強いので手間はかからないと思っていました。
ところが実際には虫がついたり、葉を食べられたりとなかなか気が抜けません。
数日目を離しただけで様子が変わることもあります。
今もなお、植物を育てる難しさと面白さを教えられています。
本当に楽しかったのは待つ時間だった
以前の私は、家庭菜園の楽しさは収穫にあると思っていました。
もちろん収穫は嬉しいものです。
しかし実際に続けてみると、本当の楽しさはそこだけではありませんでした。
芽が出る。
葉が増える。
少しずつ大きくなる。
その小さな変化を見つけること自体が楽しかったのです。
バジルも毎日見ていると、ほんの少しの違いに気づきます。
元気が良い日もあれば、虫に食べられている日もあります。
そうした変化に気づきながら見守る時間そのものが、家庭菜園の魅力なのだと思います。
これは子育てにも似ています。
子どもの成長も、一日ではなかなか分かりません。
しかし振り返ると、いつの間にかできることが増えています。
家庭菜園を通じて私は、結果だけでなく過程を楽しむ大切さを学びました。
野菜を育てると、食べる意味が変わる
家庭菜園の魅力の一つは、食べ物ができる過程を体験できることです。
子どもたちは普段、スーパーで野菜を見ることはあっても、育つ様子を見る機会はそう多くありません。
だからこそ、自分で植え、自分で収穫する体験には大きな価値があります。
実際、ジャガイモ収穫を体験した子どもたちは、自分たちで掘ったジャガイモを誇らしそうに見せてくれました。
そして不思議なことに、そのジャガイモはよく食べるのです。
食べ物への興味や感謝の気持ちは、こうした体験の中から自然と育っていくのかもしれません。
また、家庭菜園は土に触れる時間でもあります。
土を触っていると、不思議と仕事のことを忘れます。
スマートフォンを見ることもなく、目の前の植物に集中する。
忙しい毎日だからこそ、こうした時間が心を整えてくれるのだと感じています。
家庭菜園は、野菜だけでなく人の心も育ててくれる趣味なのかもしれません。
成長は見えないところで進んでいる
バジルを育てていて感じることがあります。
植物は急に大きくなるわけではありません。
毎日の水やりや観察を続けているうちに、少しずつ成長していきます。
その変化はゆっくりなので、毎日見ていると気づかないこともあります。
しかし振り返ると、確実に成長しています。
これは仕事でも同じです。
私たちの仕事である業務改善やDX推進も、一つの仕組みを導入しただけですぐに成果が出るわけではありません。
社員育成も同じです。
日々の声掛けや小さな改善の積み重ねによって、少しずつ組織は成長していきます。
見えないところで進んでいる成長を信じ、焦らず続けること。
家庭菜園は、そんな大切なことを改めて教えてくれています。
土の中から見つけた成長の種
栃木県佐野市で始まったジャガイモ作り。
そして現在のバジル栽培。
家庭菜園との関わり方は変わりましたが、私がそこから学ぶことは今も変わりません。
自然の恵みに感謝すること。
育てる人の苦労を知ること。
そして、一生懸命手をかけたものは必ず何かしらの形で応えてくれること。
家庭菜園はそんな大切なことを教えてくれました。
あの頃、子どもたちが土の中から探していたのはジャガイモです。
しかし今思えば、本当に見つけていたのはジャガイモだけではなかったのかもしれません。
家族との思い出。
成長を待つ楽しさ。
継続することの大切さ。
そして未来につながる小さな学び。
土の中から見つけたのは、そんな「成長の種」だったような気がします。
これからも自然への感謝を忘れず、新しいことに挑戦しながら、良い仕事をして、美味しいものを食べたいと思います。